ジョンストンズ カシミヤストールを選ぶ時に考えるたった一つの事実あるいは真実

今回からジョンストンズのブログを執筆させて頂きます、渡辺と申します。

ぜひ楽しみながらご覧頂けましたら幸いです。

年齢や性別に関わらず、カシミヤストールやマフラーを購入する時、真っ先に名前が挙がるのがジョンストンズ。

様々な通販サイト、百貨店、セレクトショップでの取り扱いがあるだけに、どこで購入したら良いのか迷うことも多いのではないでしょうか。

わたしたちの役割は、そんな時に頼ることができるガイドブックもしくはバイブルとなることです。

バイブルというと大げさかもしれませんが、このブログでは、わたしたちが長年積み上げてきたジョンストンズについての知見をお伝えしていければと考えています。

 

ジョンストンズ  カシミヤストールを選ぶ時に考えるたった一つの事実あるいは真実

なぜジョンストンズのカシミヤストールあるいはマフラーは高価なのか?

ジョンストンズを巡る様々な葛藤や憶測。
これらはすべてジョンストンズの価格が発端になっています。

2022年現在、ジョンストンズの正規品国内販売価格は68,200円(税込)。一般的なアパレルブランド、カシミヤ製品としては非常に高価な部類に入ります。

今回のブログでは、なぜジョンストンズのカシミヤストールがこの価格でなくてはならないのか。それを解き明かしていきたいと思います。

 

ジョンストンズ  カシミヤストールを選ぶ時に考えるたった一つの事実あるいは真実

ジョンストンズのカシミヤストールは非常に高価であり、200年の企業文化が生んだプロダクトです。

ブランドとその歴史、気が遠くなるような厳密な品質管理に想像を巡らせば、安価な偽物や通販サイトで購入することは、ブランド価値を著しく損なう行為ではないでしょうか。

ユニクロやZARAをはじめ、様々なブランドが良質なカシミヤ製品をリリースしています。

それらのメーカーとジョンストンズの違い。

それは色でも知名度でもなく「最高の素材」を使い「最高を目指す人間の手」によって作られている、ということです。

ジョンストンズ  カシミヤストールを選ぶ時に考えるたった一つの事実あるいは真実

年々上昇するジョンストンズ製品の国内価格。
これには理由があります。

1つめに上昇するカシミヤの原毛価格。
2022年現在、様々なところで原材料費の高騰が問題視されていますが、カシミヤの価格も同じです。

わたしたちは国内代理店を通さず、ジョンストンズと直接取引をしていますが、ここ数年仕入れ価格は毎年の様に上がっています。

品質が安定したカシミヤの原毛を毎シーズン確保することは決して簡単なことではありません。生きている山羊の毛を刈って「最高品質のプロダクト」にするわけですから、まず最高級のカシミヤ原毛を抑える必要があります。

主なカシミヤの産地は、内モンゴル(中国)と外モンゴル(モンゴル共和国)です。特に内モンゴルは中国の経済発展からカシミヤ山羊を育てる人材不足がここ数年課題になっています。

2つめはジョンストンズがあるスコットランドの人件費が非常に高価ということがあります。

ジョンストンズのカシミヤストールやマフラーは、カシミヤの原毛をより分けた状態でスコットランドへ送られます。

その後、ジョンストンズの工場で紡績や織りの工程に入っていくのですが、ジョンストンズの品質審査に合格するカシミヤストールはマフラーを作りあげるには、非常に細かい工程管理が求められます。

この工程管理は、人の熟練度はもちろんのこと、工場に漂うチリなどを含めた衛生管理にまで及びます。

この事実からジョンストンズのカシミヤ大判ストールの原価はは約150~170ポンド(約30,000円)前後となり、別途仕入れに関する関税や送料がかかります。

当社がジョンストンズの仕入れ価格もこの価格になります。

楽天市場やアマゾンで販売されているジョンストンズについて

このことを踏まえて楽天市場やAmazon、BUYMAなどで販売されているジョンストンズの大判カシミヤストールの価格を考えてみるといいかもしれません。

カシミヤストールの原価が約3万円に対して、これらの通販サイトでは3万円で販売されています。最近販売を始めたコストコも同様です。

コストコは商品単品で利益を出すというよりも、メンバーシップで利益を出すビジネスですから、正規品という可能性もあります。大企業ならではの「力技」ですが、これもブランド価値を著しく損なう行為です。

楽天市場などで3万円で販売されているジョンストンズは非常に怪しい、というのがわたし個人の考えです。ジョンストンズの品質を考えると絶対に成り立たない価格なのです。

一つ可能性があるとすれば、中国で原毛を管理している会社が偽物を作っている可能性です。

原毛は同じですから、ジョンストンズと同じもしくは同じような織り機があれば、何とか似たものになるかもしれません。またタグを模倣することは中国であれば簡単です。

繰り返しになりますが、スコットランドでジョンストンズの非常に厳格な品質管理を行い、最高級のカシミヤ原毛を使用したカシミヤストールが3万円で販売することは「不可能」なのです。

 

ジョンストンズ  カシミヤストールを選ぶ時に考えるたった一つの事実あるいは真実

ジョンストンズの国内正規品価格はどう決まっているのか?

先ほど書いた様に、ジョンストンズ本社が販売する大判カシミヤストールの価格は約30,000円。国内定価派62,000円(税別)です。

この32,000円は国内代理店と小売店の利益になります。一般的なアパレル小売店の利益率は30~40%ですから、この国内販売価格というのは「適正範囲」の中に入っていると思います。

近年のハイブランドの値上がりと比較すると、ジョンストンズの値上がりは緩やかです。

このことからもジョンストンズ本社や国内代理店は、なるべく大幅な値上げをしないように、企業努力をしていることがわかります。

わたしたち消費者ができることは、安易な価格で通販サイトで偽物を購入しないこと、そしてジョンストンズというブランドの品質、歴史、生産に対するプライドに敬意を持ち、適正価格で購入することなのです。

ジョンストンズ  カシミヤストールを選ぶ時に考えるたった一つの事実あるいは真実